ルイヴィトン ヤヨイ・クサマ コレクション買取

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2012年に発表された”ヤヨイクサマ・コレクション“はその目を惹く前衛的なデザインが世界中を魅了し話題を集めました。
日本を代表する現代美術家”草間彌生“氏についてご紹介していきます。
1929年に長野県の松本市で生まれ、家は種苗業を営む裕福な環境であり、4人兄弟の末っ子として何不自由ない順風満帆な生活に見えましたが、彼女の人生は想像を絶するほどの波瀾万丈なものでした。
まず彼女を苦しめたのは精神的な病”統合失調症“というものでした。彼女自身が『どの精神科でも不安神経症、強迫神経症と言われたわ。』と明言するほど当時は精神に障がいがあったことが分かります。
日常的に幻覚や幻聴などがあり、例えば視界が水玉で覆われたり、草花が話しかけてきたりと、今ではそれが彼女の作品に大きな影響を与えていますが、当時は苦しんだことでしょう。
両親も含め周りの大人たちは彼女に対して寄り添ったり支えたりすることはなく、十分な愛情を与えられることなく育ち、幼少期から自殺への憧れが凄く強かったと彼女自身が語っています。
そんな中で、幼いころから絵を描くことに関心があった彼女は絵を描くこと、作品を創ることこそが唯一自殺を思いとどまらせてくれるものであり、幼い頃の両親からの虐待や自身の精神的な病は彼女の作品に大きな影響を与えていくことになります。
そしてそれこそが草間彌生氏の代名詞ともいえる”水玉模様“だったのです。
今では独創的な水玉模様の作品はそのインパクトが世界に評価されていますが、元々は作品を水玉模様で埋め尽くすことにより、幻覚や幻聴から身を守る”儀式的”な意味が込められているそうで、『私の作品は痛みを伴うものであり、遊び心に溢れたもの』と語っています。
そんな幼少期を経て、彼女はその後”京都市立美術工芸学校“に通い、日本画を学ぶこととなりますが、伝統と思想が厳しく縛られた自由のない日本画壇に失望してしまい、当時のことを”日本は伝統の良さを失って醜く近代化してしまった。“とインタビューで語っています。
そしてその後、松本市の実家へ戻り、彼女は寝ることも忘れ作品創りに没頭し、毎日数十枚以上を描くほどでした。それから彼女は地元松本市で自身初の個展を開くことになりました。当時23歳の時でした。
その後も東京での個展を4回開き、ついに芸術探求の為に27歳で渡米することとなります。
そしてニューヨーク時代、彼女は全裸の男女に水玉模様を描き、屋外でヌードデモなどの過激なパフォーマンスやインスタレーションを披露し、そのかなり過激なパフォーマンスは”クサマ・ハプニング“と呼ばれ、世界に名を知らしめる出来事となりますが、そのパフォーマンスは当時の日本では強いバッシングを受けることとなりました。
また、ニューヨークの近代美術館でヌードパフォーマンスを行った後、世界でも多くの議論を呼びました。
世間からのバッシングを受けても尚、彼女自身の表現を貫き通すのには男女性差の否定や資本主義、ベトナム戦争廃絶を願ったりと、彼女なりの強い思いが込められていました。
ニューヨークで芸術活動を続ける中で、彼女はパートナーの”ジョゼフ・コーネル“氏と出会うこととなります。しかし1972年末に彼は亡くなり、その後の彼女は精神的不安定と体調不良が続き、翌年1973年に惜しまれつつも日本に帰国することとなります。
帰国してからも入院生活は続き、その最中でも作品の創作活動を続け、1975年に”西村画廊“で個展を開催、”冥界からの死のメッセージ“と題したコラージュ作品を展示しました。
翌年も大阪フォルム画廊東京店で個展”生と死への鎮魂に捧げるオブセッショナルアート展“を開催し、コラージュやソフト・スカルプチャーが展示されました。
このどちらの展示からも強く感じられたのは”死“に対する感情で、パートナーの”ジョゼフ・コーネル“氏の死を経て、彼女自身の死生観がはっきりとうかがえる時期と言えます。
そして彼女はこの頃からアートだけではなく、文学作品の創作にも精を出します。小説”クリストファー男娼窟“という作品では性や暴力、殺人などをテーマにし、この作品は高い評価を受け、大10回野生時代新人文学賞を受賞しています。
1980年以降、彼女はそれまで製作してきた作品達のモチーフとして使用し続けてきた水玉模様やネットなどと今一度向き合い、具体的なモチーフなどと組み合わせ作品を製作していきます。
文学作品の創作など、一時期アートから離れた彼女は、世界のアートシーンからも忘れ去られていきますが、1989年、ニューヨークの国際現代美術センターで開催された”Infinity Mirrors（インフィニティ・ミラーズ）“で再び彼女はアートシーンの第一線で活躍するきっかけを得ることとなります。
それからアメリカのアート関係者をはじめ、世界中が彼女の作品に魅了され、日本人初の”アート・イン・アメリカ“の表紙絵を飾る快挙を成し遂げました。
彼女のその勢いはとどまることを知らず、1993年の第45回ヴィネツィア・ビエンナーレの日本館から参加し見事成功、その時展示された”無限の鏡の部屋：かぼちゃ“の部屋の中で彼女自らかぼちゃを彫刻し、かぼちゃは草間彌生の代名詞と認知され、その後も多くの作品に登場することとなります。かぼちゃは彼女にとっての自画像であり、かぼちゃへの変身願望もあったと言われています。
そして2016年4月、彼女は遂に”世界で最も影響力のある100人“に選出され、同年10月、文化勲章受章を受賞しました。
その後もアメリカの人気俳優”ジョージ・クルーニー“氏とのコラボレーションや世界的な人気ブランド”ルイ・ヴィトン“の2012年当時のデザイナー”マーク・ジェイコブス“氏と”ルイ・ヴィトン　ヤヨイ・クサマコレクション“のコラボレーションで大きな話題を集めました。
その他にもイタリアの人気ブランド”サルヴァトーレ・フェラガモ“やアパレルブランド”X-girl“、人気下着メーカー”ウンナナクール“など、ジャンルを問わず様々な商品とコラボし精力的に活動しています。
現在も彼女のグッズは販売されており、個展も開かれているので、今後も草間彌生氏から目が離せません。