東北第二の中核都市
秋田市は秋田県のほぼ中央に位置しており、東に霊峰太平山を擁する出羽山地が連なり、西には漁場としての役割も果たす日本海が広がる自然に囲まれた県庁所在地です。
秋田市の歴史は慶長7年(1602年)にさかのぼり、歴史的にも有名な関ケ原の戦いの後に佐竹義宣が現在の水戸にあたる常陸から秋田へ国替えとなったのが始まりと言われています。
佐竹義宣は地元を治めていた秋田氏の居城であった土崎の湊城に入場しましたが、小さな城であったことから、1604年には現在の千秋公園にあたる場所に新しく城を築城し、城下町を形成しました。
久保田と呼ばれた城下町が現在の秋田市の原型となったと言われています。
市制が施行されたのは明治22年であり、平成元年にはちょうど市制施行100周年を迎えました。
その記念行事として千秋公園に佐竹義宣が築いた城の御隅櫓(おすみやぐら)を復元し、新たな観光スポットとなっています。
そして、平成9年4月には中核市に移行を遂げ、現在の人口は31万人余りで秋田県の人口の約3割を擁し、東北エリアにおいては仙台市に次ぐナンバー2の県庁所在市となっています。
秋田市は古くから米どころとして知られており、あきたこまちをはじめ、美味しいお酒の産地としても名高い場所です。
市内では、歴史を刻む5つの酒蔵が現在も操業を続けています。
とはいえ、市内においては農業などの第一次産業の従事者は少なく、市内の就業者の7割以上が商業やサービス業などの第3次産業に従事していることからも、商業都市的傾向が強い街といえるでしょう。
地場産業としては豊富な天然資源を利用した木材や木製品製造やパルプ製造、非鉄金属製造、清酒製造などが盛んです。
また、近年では積極的な企業誘致によってエレクトロニクス関連産業でも成長を遂げています。
一方で、消費者物価の安さでは全国の県庁所在都市の中では上位にランクインしており、暮らしやすい街といえるでしょう。
夏には東北3大まつりの1つである秋田竿燈まつりが開催され、46個の提灯を下げた約260本もの竿燈を稲穂に見立て五穀豊穣が祈願されます。
郷土料理では新米をつぶして杉の串につけて焼くきりたんぽ鍋が全国的にも有名ではないでしょうか。
また、地元で大量に漁獲されるハタハタを使った醤油やしょっつる鍋もおすすめです。
寒い地域で家内工業としても受け継がれてきた伝統工芸も受け継がれており、直径0.1mmの純銀の線を寄り合わせて作る繊細な銀線細工をはじめ、琉球漆器の技法を取り入れた独特の生駒塗や、カエルやだるまをモチーフにしたユニークな秋田焼などはお土産にも人気です。